※出会い編の次の馴れ初め編です。




ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブブブ、ブブブ―――ピッ。

「はい?もしも、」
「あーやっと出たぁ!」
「……」
「やほーこんばんわぁ。オレの事覚えてるー?」
「……」
「おーい、お兄さ〜ん?」
「……何だ」
「あっ、やっと声聞けたー!ね、ねー。今お話してもいい?今ドコ?家?」
「……いや、車の中だ」
「えぇ!?ダメだよお兄さん、車乗ってるのに携帯出ちゃー」
「渋滞に捕まってるから平気だ。てか何だよ何度も何度も」
「だって中々出てくれないんだもーん。今お仕事帰りー?」
「…ああ」
「ふぅーんお疲れ様だねー。お兄さんの会社ってあそこの近く?」
「ああ」
「へぇー。ね、また会いに行ってもいい?」
「ああ―――って、ちょっと待て今のナシだ!」
「ぶぅー時間切れですー」
「……」
「ねね、お仕事っていつも何時に終わるの?今日と同じくらい?」
「……いや、今日は特別に遅くなった。いつもはもっと早い」
―――
「?何だ」
「…っ、お兄さん、おもしろっ…、」
「は?」
「っ、だって…オレの質問に何だかんだ言ってもちゃんと答えてくれるんだも…っ、あははおかしいーっ」
「……んだよ切って欲しいのかよ電話」
「あーダメッそれはダメ!!やだ切らないでー!」
「…っ、」
「あっ!今笑ったでしょー!」
「いや別に?」
「ウソだーもうお兄さんのバカー…―――あ、ゴハン来た」
「は?」
「うんハンバーグー。お兄さんも食べる?なんて」
「……オイ、今どこにいんだよ?」
「んー?レストラン?」
「レストランって…まさか一人でか?」
「うんそうー」
「今何時だと思ってやがんだ」
「分ってるよー。もう別にどうでもいいじゃないそんなコトー」
「……」
「?お兄さ、」
「…………今、どこにいる」
「え?」
「どこにいるか聞いてんだ」
―――ぇ、っとぉ…何で?」
「いいから教えろ」
「ん〜、嫌って言ったら?」
「もう二度と電話しねぇ」
「えー!?そんなのズルイよー!」
「じゃあ切るか」
「わわっ!待って待ってヤダヤダヤダッ!」
「じゃあ教えるか?」
「ぅ〜…」


* * *


バタンッ。
ドアを閉め店へ駆け込む。広い店内でも、目的の人物は予想通り目立っていた。

「あ、こっちだよー!」

探さなくてもすぐに見つかった。男を見つけ、嬉しそうに手を振る少女の元へ急いで寄っていく。

「ったく何でこんなトコ…」
「えへへごめんねぇ。まさか本当に来るとは思わなかったよー」
「会社の目の前じゃねぇか」

そう言いどかりと少女の前に座る。
そう、少女が告げた場所は男が勤めている会社の向かいにあったのだ。男も何度か利用した事のある、全国チェーンの何の変哲もない普通のファミリーレストランだ。

「え、お兄さんの会社あそこなの?ふぅんイイコト知っちゃったー」
「……」

余計な事を言ってしまったと気付いたが、全てはもう後の祭りだ。
心の中でため息を吐くと、男はネクタイを緩める。その余りにも疲れている様子に、何故か少女は頬を染めポツリと呟いた。

「……やっぱカッコイイかもー…」
「は?」
「へっ?な、何でもー!」








続く