* ある休日前夜にて *




そう確か一時間程前チーズケーキ作りたいからスーパー行ってクリームチーズとバター買ってきてとファイが言い出し。
それに対して何言ってんだ自分で行けつか今何時だ10時だ10時朝のじゃねぇ夜のだ阿呆と黒鋼が返すと。
えーだってオレ今手はなせないし夜道は怖いんだって襲われちゃったらどうするのー?とファイは言い。
誰がてめぇなんざ襲うかよてか何が手はなせないだテレビ見てるだけじゃねーかと黒鋼は返しそしてうんまぁ何が言いたいのかというとつまりそういう訳で。

「だーかーらなんっで俺がてめぇの思いつきに協力しなきゃなんねんだかきっちり説明しろっての!」
「だって急に食べたくなったんだもんチーズケーキ。オレオが入ってるやつー。黒たんだって食べたいって思ってたでしょー?」
「人の食欲を勝手に捏造するな!!」
「えー?」

ループループループループ無限にループ。
黒鋼はいい加減腹が立ちこの先の見えない攻防に決着をつけようと手っ取り早い方法を突きつけた。
それは。

「じゃあジャンケンだ。俺が勝ったらオメーが行け。一人で行け」

とそう己が負けることなど微塵も考えてていない口調で言うとファイも同じことを思っていたのかすんなりとそれを受け入れた。

「よぅし分かった。その代わりオレが勝ったら黒わんが行ってよねー」

カーン!という勝負の始まりを告げるゴングが鳴り響く(もちろん幻聴だ)。
そして次に挙げるのは前者がファイ後者が黒鋼の思考である。

黒たんはいっつも最初にグーを出すからパー出せば勝てるけどでもきっとそれは読まれてるからここはその裏をかいて(以下エンドレス)
ぜってーあっちは俺が初めにグー出すと思ってパー出そうと考えていることをこっちが読んでいるってのも分かってるだろうからここはその裏の裏をかいて(以下エンドレス)

とまあ終始こんな感じでは決着がつくはずもなく。

「っだーまたあいこかよちくしょう!」
「むぅ…黒様、次はチョキ出してくれるー?オレ、グー出すから♪」
「誰が出すか!!」
「よぅしもう一回〜」

そんなこんなでこの後約100回程あいこを繰り返しそしてようやく。

「…なぁオイ、そろそろ店閉まるんじゃねぇか?あそこ0時までだろ」
「あ、ホントだー。うーん、当分決着つきそうにもないよねぇ」

どうしようと考えあぐねているファイを見て黒鋼は。

「ぁー………んなら一緒、行くか?」

バツが悪そうに照れくさそうに頭をガリガリとかきながらそう言った。
それにファイは一度目を丸くしてそして。

「……うん」
同じように頬を染め頷いた。


そうしてその後。
初めからこうすれば良かったねーとやけに嬉しそうにはしゃぐファイとあれ?そういや始まりはコイツのただのワガママだったっけなどとスーパーの自動ドアをくぐった所で今更な事に気が付いた黒鋼がいたとかいなかったとか。



終。






<08.0701>